シンデレラとメロスは同一人物?

みんな眠いけど暑くて寝れないと思うので、少しホラーなお話し。

もうあなたはお気づきだろうか。
もしもシンデレラとメロスが同一人物だとしたら
大変な事態になってしまうということを。
共通しているのは両親がいない、ということ。


親戚全員にひどい扱いを受けていた主人公は、舞踏会に出たいがために、王に対して親友を人質に差し出した。
妖精がガラスのクツをプレゼントし、魔法によって馬車まで用意してくれたが、物語がうまく進まないので走って舞踏会へ向かう。
本来は美しいのに嫉妬により貧相な格好をさせられ続けていた主人公だが、魔法により美しさに磨きがかかる。
主人公は今夜0時までに自宅に戻る事を王に伝えていたが本心では舞踏会にずっと参加していたい。
いいかい主人公。あなたはいつも優しい子だね。今日は特別に舞踏会へ行かせてやろう。ただし0時には戻っておいで。さもないと、親友を奪ってやるからね。お前さんの命がほしければ、0時を超えて帰ってくるんだね。
主人公は走った!
キレイな格好とガラスのクツに何故か置き去りの馬車。舞踏会に行ける喜びと親友を人質にされるプレッシャーの中、走って走って。途中で飽きて歩いたりした。
ああ、スニーカーがいい。
とぼやきながらも、会場に参加はできたものの全裸になってしまう。
貸衣装に着替え、踊りを楽しみながらも帰りくらいは馬車代行頼んでおけばよかったなと、ふと大きなテラスから夜空を見上げてしまっている自分に気付く。
そうだ、親友が待っている。帰らなければいけない!
わざとらしくそう声に出したあと。主人公は駆け出した。
大変だ、0時を過ぎてしまうと大切な親友を奪われてしまう(本心ではタイムアップしてガラスのクツをスニーカーにチェンジしたいところ)と自分に言い聞かせながら、とにかく走った。
王としての仕事の外注も受けている妖精は、0時までだよ。しっかり楽しんでおいで。それ過ぎたらダメ親友だめナルよ。大丈夫ネアナタ。
と何故かカタコトで主人公の帰りをただ待っている。
先程さくっと済ましてきた舞踏会の開催者と結婚前提のお付き合いをするって話しは置いときながらも、なんとか帰りの時間に間に合った。
おい、待て!私はかえってきた。何かするなら私にしてくれ!
主人公は親友の足にしがみつく。
よく、ガラスのクツで完走してくれたな。なんもだ。一応セオリーだからな。でもゴメン!ほんとは時間過ぎてスニーカーになればいいのにって思っちゃった。だから私の右頬をぶってくれ!
私だって、舞踏会でそのまま結婚し帰ってこないかと思っちゃった、私の右頬もぶってくれ!
お互い意気投合し平手打ちをかまし合ったところでクライマックスシーン。
王としての仕事の外注も受けている妖精は、どうだったね。楽しかったかね。私も仲間にいれておくれ。
誰も傷つくことなく、三人は仲良ししたのでした。

空虚な妄想など、ないのだ。
と妖精は言い残したのであった。

押忍!