もうこれ以上になく熱した鉄のフライパンの上に牛サガリを置いていくなら、バターを決して忘れてはいけない。
肉という君は、いや君という肉は高温で焼いていくと硬くなり
かといえば弱火でじっくり焼いたところで美味しくはならんと言う。
余計に箸やトングでつつくことは禁止だとわかりつつも、ついつい焼かれていくその顔色が気になり裏返してしまう。
きみはいつだって、表面だけ焦げ色がつく一歩手前までほっといてくれと主張する。
何かをお願いしているのか。
中まで火を通さずにいるのが美味なことはこちらも重々わかっている。
そして一線を越える。
君は思ってもいないだろうが僕は君のことが大好物なのである。
嫌なことがあってもなくても、嬉しいことがあってもなくても君を喰らうのだ。
もしきみが骨付きだとしたら、バリバリぼりぼりとむさぼり噛み砕き、まとめて胃の中に詰め込むのだ。それほど大好物なのである。
決してビーガンにはなれない、牛キチなわけだ。
好きな四字熟語は
焼肉定食だ。
覚えておいてくれたら嬉しい。
この話しはもういい。飽きてきた。
午後の営業しよ。